【20代の頃】無料で英語学校に通う方法を考えた(1993年〜1994年)

問題に直面したとき、人によって対処法は違います。

1992年にオーストラリアに渡った私が、しばらくして抱えた問題は、

「英語を勉強したいけどお金がない」

という問題です。アルバイトをしていたので普通に生活はできてましたが、英語学校の入学金や授業料を払う余裕はありません。この問題を解決法を考えました。

解決法には大きく分けて二つあります。

  1. お金を準備する方法
  2. お金を使わずに何とかする方法

お金を準備する方法としては、アルバイトをしてお金を貯めるとか、親に頼んで送ってもらうとかあると思います。 多くの人はこちらで知恵を絞ると思いますが、私の場合は、お金を貯めている時間がない、親に頼むのはイヤ、と思っていたので、「2」のお金を使わずに何とかする方法を考えました。

 

最初に、英語学校に無料で通う方法を考えました。なかなか大手の英語学校は制度がキッチリ決まっているので難しいだろうと思い、ターゲットは小規模のオーナー先生がやっているような学校。

 

友だちが通っていた塾的な英語学校に行ってみました。英語が話せない私がどのように交渉したのかは定かではありませんが、以下の条件で交渉が成立しました。

  • 週2日授業を無料で受ける
  • 毎日掃除をする
  • 日本人の生徒との連絡係(相談係)になる
  • 余った時間に手書きの書類をパソコンに入力する

ちょうど、その学校は正式な学校としての認可を受けようとしていて、大量の申請書類を作っているところでした。オーナー(先生)は、パソコンが苦手で書類は全て手書きで作っていたので、それを入力する仕事が大量にあり、それを入力するという条件が響いたようです。実際、当時の私はもの凄くタイプが速かったので、相当役に立ったと自負しています。

  

留学したことがない人で、海外に住めばネイティブスピーカーと友だちになって、語学が上達すると思っている人がいますが、それは間違いです。もちろん、本人の頑張りによってはできますが、日本で暮らしていても友だちって学校や職場など極限られた場所でしか作れない人が多いと思います。

海外に住んだところで、語学学校には現地の人は通わないしなかなか現地の友だちって作りにくいです。だいたい、日本で人気の留学先は日本人がいっぱいすぎて、日本人のいない環境を探す方が大変です。

 

そう言うことに気づいたころ、何としても日本人のいない環境に入らねばと思って知恵を絞りました。日本人がいない職場に就職するというのも目指して、就職活動もしましたが英語がまともに話せなくて、就労ビザを持っていない外国人が普通の企業で働くというのは、メチャクチャ 難しいです。努力は続けますが、それ以外の方法も同時に考えました。

 

最初に発見(?)したのが、ボランティア。

ボランティア団体の多くは誰でも受け入れてくれます。私は海難救助のボランティアをすることにしました。資格が必要なのですが、そのボランティア団体が毎週2日勉強会を開いてくれているので、半年通いました。もちろん、言葉のハンディがあり、かなり補習をしてもらいまくったのですが、最終的には資格取得でき、友だちもたくさんできました。当時、シドニーで唯一の外国人有資格者として、ちょっと有名になれました。

ちなみに、この資格取得についてはNHKのドキュメント番組が作られることになり、取材班が2週間くらい滞在してました。これについては、山ほどエピソードがあるので、また別の機会に書きたいと思います(一番面白い話は、とてもここには書けないので、酔っぱらったときに聞いてください(笑))。

 

英語学習と友だち作りの話に戻すと、もう一つ実行したのが、宗教団体です。私は特に信仰する宗教はないのですが、いくつかの宗教団体では、毎週お祈り(?)をしてその後交流会みたいなことをやっていたり、移住者向けの英語の勉強会みたいなものを開いているところがありました。狂信的なところではなく、特に強く勧誘されることもないところを選び、通いました。(恐らく神の教えとして)そういう所の人たちは、新参者にもとても気さくにかつ、やさしく接してくれるし、たくさん話をしてもらえるので、英語の勉強にはとても役立ちました。

 

もう一つ、無料でできたのは大学の日本語を専攻している学生に交換レッスンを申し込む(チラシを作って大学に貼ってもらう)ことをしました。カフェで会って、1時間日本語で会話をし、1時間英語で会話をするというものです。これも、いろいろとても楽しかったです(笑)。

 

他にもいろいろ考えて実行しました。

 

これら全てほとんど無料ですし、普通に英語学校に通うよりずっと得るものが多かったです。

私が学生に「若いうちはとにかく貧乏になれ」と言う理由のひとつは、これです。お金があって普通に英語学校に行けてしまったら、私はこんな面白いことを考えることもなかったし、実行して、多くの経験や友だちを得ることもなかったでしょう。お金がないと人は知恵を出す癖がつきます。

 

 

コメントする