元気がなくなったからなのではなく元気だからこそ

20代の頃は、自分が世の中で一番できる人間だと勘違いしていたこともあって、不条理なこと、納得できないことに対しては、抗議をしたり意見を述べたり、戦っていました。

ところが40歳を過ぎたくらいから、不条理なことや納得できないことにも、反応しなくなってきました。もちろん、全てではありませんが、反応する閾値がもの凄く高くなってきました。若い人たちと言うか、若い頃の自分が、そういう姿を見たら、年を取って元気がなくなった老化現象として、馬鹿にしていたと思います。

でも、実際に元気がなくなったのかというとそうは思っていません。実際20代の頃より遥かに、栄養や健康を考えた食事をしながらトレーニングをしていて、一昨年岐阜県のスポーツ科学トレーニングセンターで検査してもらった結果でも、心肺機能や筋力は20代の(平凡な)陸上選手並みと言われてます。やりたいことへの情熱も衰えてはいないと思います。

ただ、20代の頃との違いは、「置かれた環境で最善を尽くす」という考え方が強くなったことです。20年間にいろいろな経験をする中で、自分ではどうしようもないことを嘆いていても何にもならないという思いが強くなりました。自然災害、リーマンショックのような大きな経済危機、小さい子どもの突然の発熱、妻の怒りなど、予知や回避ができないことが、世の中や人生にはたくさんあります。それでも、その瞬間に取り得るベストな対処を考え、最大の努力をすることで、未来は開けます。

置かれた状況、与えられた環境には、不条理なことも多いです。それが変えられるのなら、変える努力をするのもよいでしょう。しかし、変えられないことだったり、判断が難しいことであれば、嘆いたり悔やんだりしている時間は勿体ない。その時間に、その状況でベストを尽くす。そんなことを繰り返しているうちに「年を取って元気がなくなった」風になってきたのだと思います。

それを若い人たちに批判されるような状況も含めて「これでいいのだ」と受け入れます。