なぜ働くのか

私は、何度か就職活動中の学生さんの前でお話しする機会をもらったことがあります。テーマとして「働くとは?」なんて言うものを与えられたりして、パネルディスカッションとか、グループディスカッションなどをしたことがあります。
そのようなとき、よく感じるのが、私自身の「働くこと」に対する考え方が、一般の人とは大きくずれているということです。
私の場合、働くことも遊ぶことも学ぶことも、もっと言えば結婚することも、子育ても、全部同じ次元のものであり、すべては自分の欲求を満たすためにやっているのです。遊びたいから遊ぶ、この人と一生一緒にいたいから結婚する、子供と遊ぶのが楽しいから遊ぶ、仕事がしたいから仕事をする・・・。もちろん、今の人生すべてが直接的にやりたいこととは限りません。お客さんには下げたくない頭を下げ、疲れて帰った家で家事をすることは、直接的にはやりたくないことです。でも、いやなお客さんに頭を下げることで会社がよくなるのなら、それも楽しい。家事をすることで妻が喜ぶのならそれも楽しい。

私の場合、バブル期に所謂一流企業に就職しました。しかし、4年後にあまりその会社の仕事が楽しくないと感じ、退職し、オーストラリアに渡りました。そこでプラプラしながら、遊んで、しばらくして就職活動をし始めました。英語もろくに話せない外国人が雇ってもらえるわけもなく、100件くらいは断られました。でも、悲壮感はありませんでした。バイトも楽しかったし、海に入る時間もたくさん取れるし、幸せでした。もちろん、働きたい会社に雇ってもらえれば、嬉しかったでしょう。でも、雇ってもらえなくても幸せなのだから、やはり楽しかったです。やがて、雇ってくれる会社が見つかり、そこでいろいろ勉強もできて、仕事もできて、楽しかったです。すべての経験が、今の人生につながっています。

人生を楽しくするのに必要なのは、楽しいことに没頭する集中力と、それを客観的に眺められる余裕だと思います。

私の場合、なぜレンガを積んでいるのかと尋ねられたら、レンガを積むのが楽しいからと答えたいです。いろいろ工夫して早く積む方法を考えたり、隣の人と競争してみたり、単調な仕事であっても何か楽しい種はあるでしょう。でも、実は、こころの奥には、教会を造る夢と計画はもっていて、楽しく遊んでいる中でも教会ができあがるというのが理想です。

教会ができあがらなくても、楽しいレンガ積みができたのだからHappy!
教会ができあがれば、楽しいレンガ積みは終わるが、人を幸せにもできるのだからHappy!

そんな考え方ができれば、ほとんどの人の人生は楽しい人生と言えると思います。

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