【本の感想】雲の果てに 〜秘録富士通・IBM訴訟(伊集院丈)

2007年に発売された「雲を掴め」の続編です。「雲を掴め」は、1983年に和解が成立したところで終わったのですが、実際にはその後で、さらに厳しい交渉があったのでした。

 

私が所属していた部門は、この小説の舞台となっている部門で、ちょうど私が入社する直前までが、最も激しい交渉が行われていた時期でした。

 

しかし、当時の私は全くこんな交渉が行われていて、こんなに絶体絶命な状況にあったとは夢にも思っていませんでした。交渉は完全に秘密裏に行われていたし、裁判で不利になる可能性のあることは一切禁止、交渉していた部門の責任者ですら、弁護士から状況を聞いていなかったくらいなので、私が全く知らなかったのも当然です。

 

でも、私が入社した頃の上司や先輩は、小説内に登場していたり、調査に協力していたりしていたようで、時々、断片的に聞いていた話の意味がこの小説を読んで分かりました。

 

激しい対立をしながらも、個人的には一目を置き信頼している仲間と必死に交渉をし、ギリギリのところでお互いに納得し、お互いにメンツを保つ和解をしたわけですが、結局のところ、メインフレームの時代は終わり、両社とも赤字に転落し、事業は大幅に変更されました。両社の一番の稼ぎ頭で、花形だったメインフレーム事業は、今では小さな古い事業部となっています。

雲を掴もうと必死だった富士通が、その雲の果てに見たものは・・・。結局、雲というのは掴もうとしても掴めないし、雲の果てには、さらに雲があるのかなぁと思います。

 

前回も書いたのですが、1980年代にメイフレームのソフト開発に携わっていた人には、とてもオススメです。懐かしい言葉や状況がたくさん出てきます。

あと、富士通という会社に興味のある人にもオススメです。野武士と呼ばれた富士通とは、まさにこの本に出てくる技術者達だと思います。

 

そういうことに、あまり興味のない人にもオススメです。フィクションの経済小説としても十分おもしろいと思います。

 


雲の果てに―秘録 富士通・IBM訴訟
雲の果てに―秘録 富士通・IBM訴訟 伊集院 丈

日本経済新聞出版社 2008-12
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我が家が北国より寒いという根拠

私の家は、標高が500m以上なので、緯度の割には寒い場所です。最低気温は零下10度くらいになることもあります。

とはいえ、北海道や東北の寒いところに比べれば、暖かいはずです。最高気温が0度以下ということは(私が引っ越してきてからは)ありません。

 

ただ、私の家が寒いと言っている理由はそれだけではありません。多くの北国の家は、北国仕様になっていて、かつ、暖房具もちゃんと稼働していて家の中はそんなに寒くありません。しかし、我が家は北国仕様ではなく、断熱効果が少ないボロ家で、しかも、暖房器具をあまり使っていないので寒いのです。

今までは15畳程度の広さの母屋(ワンルーム)に、2台のストーブを置いていました。それが今シーズン、子ども達の本やおもちゃコーナーが大きくなった為に、ストーブの置き場所が無く、1台のファンヒーターのみでがんばっています。

6畳弱の寝室にはオイルヒータを置いてあり、4人でくっついて寝ていれば、十分暖かいです。しかし、5時頃起床して母屋に行くと、室内は0℃近くまで下がっています。それからファンヒーターを動かしても、なかなか室温は上がらず、吐く息が白いまま、6時半ころ家族4人で背中を丸めながら暖かい味噌汁をすすり

「いやぁ、味噌汁は温まるねぇ」

なんて言いながら食事をします。

 

今シーズンはまだ灯油を100リットル使っていません。例年の半分以下です。

テレビを見たりするときも、毛布にくるまってみんなでくっついてみたりしています。

 

我が家が本物の北国より寒いというのは、誇張でもなんでもなく、本当に室内が寒いのです。

CHANGE

今日から2009年が始まります。

どんな経済学者も、経済評論家も、今年の前半は今まで以上に景気が悪化すると言っています。景気回復は早くて来年。

もし、うちの会社に有能な経営コンサルタントが来て調査をしたら、今年の大晦日に、うちの会社が存在している確率は10%以下と言うでしょう。元々の経営状況が悪かったのに加えて、未曾有の経済危機が追い打ちしています。

 

でも、10年以上前から「どうして、こんな会社が存在しているのか分からない」とか「こんな経営状態の会社が存在しているのは奇跡だ」と言われていたジーアップです。今回もこの危機を乗り越えて見せましょう。

 

そして、今度こそ大きく成長(決して経営規模を大きくするという意味ではありません)し、高収益企業に転身してみせます。

 

ジーアップ関係者の皆さん。是非是非よろしくお願いします。

 

もちろん、私自身も大きくCHANGEします。とひとまず宣言します。私は比較的意志が弱いので、いろいろなところでいろいろな人に、言いまくらないと実行できないので、ひとまず宣言から。

まずは、今月、

・会社の滞在時間をこれまでの半分にします! 走り回ります!

・声のトーンを少し上げます!

・声の大きさを少し上げます!

 

弁慶杉(岐阜県上矢作町)

妻の実家から約10kmのところにある弁慶杉(ベンケイスギ)を見に行ってきました。

 

 正月の鈍った体をほぐすためにも、歩いていくことにしました。距離的には1時間くらいでいけると思ったのですが、想像以上に標高差があり、時間がかかりました。

弁慶杉のある大船山は標高が1000m以上あり、標高差は500m以上あります。

弁慶杉までの道は、道幅3m程の林道で、途中には全く家や人の気配はなく、寂しい道です。道路もほとんど車は通らず、1時間に2,3台くらい弁慶杉や風車を見に行く車が通るくらいです。時々、熊出没注意の看板が出ていてちょっと怖いです。一応、冬眠の時期なので熊が出没することはないだろうと思っていましたが、念のため歌を歌いながら歩いてゆきました。

こんな時期に一人で、歌を歌いながら林道を歩いているのは、やはり怪しいので、通りがかる地元の軽トラのおじさんに「どうした?だいじょうぶか?」と声をかけられました。

頑張って歩いたのですが、上りなのでそんなに速くは歩けず、約1.5時間で弁慶杉の入り口までつきました。

 

弁慶杉は、源義経が奥州に落ちる際、武蔵坊弁慶が杉の小枝を折って、「願いむなしからずんば、この枝生い栄えよ」と地に挿したのが育って、大杉になったと案内板書かれていました。

鳥居をくぐり、山道を260m登ると大船神社に到着です。この山道の周りにも伊勢神宮の参道にあるような大きな杉の木が何本もあり、厳かな雰囲気が漂っています。伊勢神宮と違い、たった一人でそこを歩き、聞こえるのは強い北風に揺れる木々の音だけというのも、心が清められる感じです。

 私は昔から悩んだときには、もの凄く大きなものを見に行きます。もの凄く大きなもの、もの凄く古いものを見ていると、自分の悩みなど、ちっぽけなものだと思い、またがんばれるのです。シドニーにいた頃は、住んでいたアパートから歩いて1時間くらいのところにあったノースヘッド国立公園の断崖絶壁や、空港を頻繁に見に行っていました。人生に悩んでいた時期でした。

 

さて、話を弁慶杉に戻します。大船神社で記名、参拝し、祭殿(?)の横をぬけて、少し下ると弁慶杉があります。

 

立派な杉です。言い伝えでは弁慶が逆さまに枝を地面に挿したために、枝が下向きに生えているのだそうです。大きすぎてイマイチ写真がうまく撮れません。携帯電話しか持ってゆかなかったことをちょっと後悔。

ずっと歩いてきていたので、体は温まっていましたが、数分弁慶杉の周りで写真を撮っていると、一気に手はかじかみ、体が冷えてきました。標高が高いし、山頂と言うことで風が猛烈に冷たいです。

弁慶杉の近くにはわき水(?)が飲めるようになっているところがあったのですが、完全に凍っていてひしゃくが取れませんでした。・・・が、縁起物(?)だと思って水だけは無理矢理飲みました(笑)。

 

帰りの道は、日も落ちかけて、ますます冷えてきたので、一生懸命歩いて帰りました。往復20km、これだけ歩いたのは久しぶりです。久しぶりに大きいものを見て、心も晴れ晴れとして、これからもがんばる元気がでました。

 

ルートをYahooMapのLatLongLabの猛レースに登録しました。

弁慶杉

一年の計は元旦にあり

あけましておめでとうございます。

 

ここ1,2年、ジーアップは大きく変貌をしています。そろそろ、変革期を終え、新しいジーアップとして成長路線に乗らなければいけないと考えています。

大不況と言われていますが、へこたれず、大きな目標と、計画を、正月の間に立てたいと思います。

 

今年の正月は、年末から6泊7日の大旅行です。・・・と言っても、私と妻の両方の実家を巡って、生活費を浮かせているだけですが・・・(笑)。

我が家の食卓には乗らない食材ばかりが続き、どうしても食べ過ぎてしまうので、日中、一生懸命歩いたり走ったりして、体重を増やさないように気をつけたいと思います。