恐竜が滅亡してもネズミは生き抜いた

アメリカのビッグ3と呼ばれる自動車メーカーが瀕死の状態です。公的支援が一部確定しましたが、どうなるかは余談を許せない状況です。

 

なぜ、こんな状態になってしまったのか。

営業方法が良くなかったのか、財務戦略が良くなかったのか、もっとおおざっぱに言ってしまえば、経営方法が悪かったのだと思いますが、細かいテクニカルなミスについては私はよく分かりません。

しかし、ビッグ3が凋落した理由を一言で言うと「ラクをしすぎた」ことではないかと思います。

ピックアップトラックという大型で利益の大きい車をどんどん売って、基本部分は同じで、多シリーズやグレードの商品をどんどん作り、ますます利益率がよくなっていたのが、私の言う「ラク」ということです。

決して、ビッグ3が研究開発をしていなかったわけではありませんが、「ものすごく安くガソリンが買える広大な土地のアメリカで人気の出る車」それを「安く作り、横展開もして、ますますコストを下げる」ということを長年続けていたら、ガソリンが暴騰し、世界金融危機が起き、ビッグ3繁栄の大前提が崩れてしまったのです。

 

温暖な気候で、大量の食料がある時代に、どんどん巨大な体に進化していった恐竜が、巨大隕石の衝突を機に起きた気候変動に対応しきれず、滅亡したのと同じです。

 

恐竜が世界を支配していた頃、地味にコソコソと生きながらえていた哺乳類は、気候変動にも対応し、生き延びました。

 

未曾有(みぞゆうではありません)の金融危機から始まった大不況も、これまでラクに儲けていて、さらに効率よく儲ける方法を考え進化し、さらに儲けていた大企業がドンドン倒れてゆくことでしょう。

そんなときに、生き残り、次の時代の主役になるのは、大企業が最高益を毎年更新しているようなときにも、あまり儲からず必死に生きながらえてきた中小零細企業です。

 

そうです。やっぱり「待ってました大不況。よくぞ来てくれた大不況」です。

 

【本の感想】嘘つきアーニャの真っ赤な真実(米原万里)

このところ本の感想は、米原万里さんの著書が続いていますが、一応今回で一区切りです。「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」は、前回の「魔女の1ダース」などに比べて、重い話題というか、歴史や国家などについて考えさせられる本です。

 

3編の話から構成されていて、どれも、米原さんが在プラハ・ソビエト学校に通っていた頃の友達の在学中のエピソードから始まり、数十年後に再会し、その間のそれぞれの人たちの人生が語られています。時代や国や、国際的な駆け引きに翻弄され波瀾万丈の人生を送り、それぞれ、必死に自分を(武力的にと言うより精神的に)守る姿には、国や民族、愛国心、そして、そもそも人間とは、とか、人生について考えるきっかけをあたえてくれるものです。

米原さんが在学していたプラハ・ソビエト学校には東側の国を中心に50カ国もの国籍の学生が通っていたそうです。当時、東側の国々で海外に住んで、海外の学校に通っている子どもというのは、親が共産党の幹部などがほとんどで、国作りというか歴史に関わっているような人たちです。

その辺りの話を読むと、歴史の授業では、習わない深い深い歴史に興味を持つきっかけとなる本かもしれません。特に1989年のベルリンの壁崩壊以降の東側の国々については非常に興味深い話が多かったです。

 

本のタイトルにもなっている、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」という話では、ルーマニア人のアーニャが主人公の話です。彼女はクラスで一番、自国を愛し、共産党のスローガンを本気で信じて、それをみんなに自慢するような子でした。しかし、アーニャの親は共産党の特権階級の人で、とてつもない贅沢な暮らしをしていました。いわゆる共産党が掲げていた不平等のない社会、労働者のための国というようなスローガンとは全く違う生活です。

数十年後に再会したとき、(クラスで最も共産主義思考の強かった)アーニャはイギリス人と結婚してイギリスに住んでいるのですが、そこに至るまでの、アーニャの変化、アーニャの両親の葛藤、共産主義体制の矛盾、ヨーロッパでの民族問題などなど(実はアーニャはユダヤ人だった)、興味深く考えさせられることが盛りだくさんな本です。

私がこの本を読んでいるとき(特に第二編の嘘つきアーニャの真っ赤な真実の後半)、半ページ読む毎に、ネットで検索したり、歴史の本を開けたりしながら、国や民族の歴史的背景や、人物のつながりなどを調べながら読んだため、実際、この本を読み終わるまでに、この本の2倍くらい文章を読みました。

 

今も民族問題が絶えないヨーロッパ諸国についてや、旧東ヨーロッパ諸国の近代史(特に1980年以降)などに興味のある方には、ぜひオススメの一冊です。


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) 米原 万里

おすすめ平均
stars民族・人種の理解に
stars発見したのだが、
starsまっさらな自分になれる本。
stars政治に翻弄されながらも、それでも子供は育つ
stars小説以上にエキサイティング

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待ってました!大不況! よくぞ来てくれた大不況!

新聞やテレビでは、連日、不況のニュースが報じられています。

また、いろいろな経営者の人たちと話しても「こんなにひどいのは初めてだ」「バブル崩壊後でも、こんなにひどくなかった」というような言葉が聞かれます。「○○が倒産した」「△△も危ないらしい」 そんなこともよく聞きます。

 

これは経営者にとって非常に良くない状態です。良くないのは景気が悪いことではなく、四六時中「景気の悪い話を聞くこと」と「景気の悪い話をすること」です。

医学的にも証明されていることですが、人間は「失敗する、失敗する」と思いながらやっていると、本当に失敗します。「自分にはできる」と思いながらやっているとできるのです。

 

多くの成功している経営者は、とてつもなくポジティブシンキングをする人です。

一般的には「おめでたい人」と言われるくらいでちょうど良いのです。なのに、最近は、そういう経営者ですら弱気になってしまっている人も少なくありません。

 

しかし、こんな未曾有の大不況なときだからこそ、ポジティブな話を聞き、ポジティブな話をして、ポジティブなことを書き、常にポジティブな空気を吸い、ポジティブに考え、思いこんでいないといけません。

 

よくぞ来てくれた大不況!

待ってましたよ大不況!

あいつも前からおかしいと思っていたが、本当に頭がおかしくなったか、なんて思われるかもしれませんが、それくらいでちょうど良いのです。これくらい前向きに状況を受けとめて、がむしゃらに新しいことに挑戦してゆきたいと思います。

そのうちに、ふと気づくと、ライバルはみんな倒れ、会社の底力も付き、「結構ラクかも」 と思える時が来ると信じて。

 

幸い近くに、私など足下にも及ばないポジティブな人もいるので、ぜひ、ポジティブな空気を吸わせてもらって、ポジティブパワー全開でゆきたいと思います。

焼きいも

落ち葉がすごいことになっているのですが、せっかくなのでこの落ち葉を利用して、焼き芋をすることにしました。

 

燃料の落ち葉は、ちょっとはくだけで山になります。Hannaが喜んで台車で運びます。調子に乗って落ち葉をたくさん燃やしすぎたら、イモはちょっと焦げすぎでした。

 

・・・が、やっぱり焼き芋はおいしいです。

 

落ち葉の料としては、あと30回くらい焼き芋ができそうですが、そんなに時間もないので、残りの落ち葉は、家の周りの山に寄贈しておきました。

落ち葉が大変なことになっています

つい先日まで紅葉がきれいだと思っていたのですが、あっと言う間に落葉し始め、うちの庭は落ち葉が大量に降り注いでいます。人が通るところだけは、2,3日に一回程度落ち葉を掃除するのですが、それでもあっと言う間に地面は見えなくなります。

 

今度の休日に焼き芋でもしようかな。