児童生徒のトイレ掃除復活って?

今朝の新聞に「児童生徒のトイレ掃除復活へ 横浜市立の全小中高(朝日新聞)」という記事がありました。

要約すると、

子ども達の公共心を育むためにトイレ掃除を復活させると、横浜市教育委員会が決めた。現場の教員たちのなかには疑問の声もある。

と言うことだそうです。

 

私は、最初このニュースの意味が全く理解できませんでした。今時の小中学生はトイレ掃除をしていないのでしょうか?

「現場の教員から反対意見が出ている」ということから、私はてっきり授業の一環(他の授業時間を減らして)として、どこか街の公共施設のトイレ掃除に出かけるのかと思いました。それなら、反対意見を出す人がいるのは予想できます。

しかし、このニュースはそういう事ではなくて、自分たちの学校のトイレを自分たちで掃除するというニュースのようです。

そんなこと、当たり前だろう、と思ったのですが、どうもこれまではそうしていなくて、これからそうする方針を打ち出した、反対意見もある、というニュースらしいです。もし、私の理解が間違っていたらすみません。

 

記事によると、衛生面での問題や、薬品を使って掃除をするのが危ないから・・・というような感じで書かれていますが、それを安全に使う方法を学ぶのが重要だし、100歩譲って、薬品を使って生徒の手が荒れたりしたらいけないという理由があれば、薬品を使わずぞうきんで水拭きするだけでも良いと思います。とにかく自分たちで掃除するのが当然であることを理解させなければいけないと思います。

 

純粋培養して、とにかく受験を突破する事だけに注力し、その他のことはやらせない。そんな教育が日本をダメにする・・・と、昨日紹介した米原万里さんの本にも書かれていますが、今回のニュースを読んで、ちょっと恐怖感さえ覚えました。

【本の感想】魔女の1ダース(米原万里)

通訳というのは、別の言語を話す人たちの意思疎通を手助けする仕事です。しかし、言語というのはかなり文化に依存するというか、文化形成の重要な要素であるため、それを訳すというのは、異文化、異なる常識を橋渡しすることです。

米原万里さんは、子どもの頃、チェコスロバキア(当時)の在プラハ・ソビエト学校に通っていました。そこで出会ったいろいろな国の人たちが、それぞれの言語や文化を持っているし、その後、日本に戻ってきた自分が、とても居心地の悪い学校生活や教育制度に疑問を感じたこと。その後、通訳として世界各地に行ったり、人にあったりする中で、私たちが普段、絶対的、普遍的な「常識」と考えていることが、相対的なことであり、かつ逆説的なことであるという米原さんの世界観・人生観を形成したのだと思います。

本のタイトルは「魔女の1ダース」サブタイトルとして「正義と常識に冷や水を浴びせる13章」とついています。これは、1ダースというのも魔女の世界では13を表していることに引っかけたタイトルです。

 

根底のテーマは非常にシリアスで哲学的なものなのですが、個々の話やエピソード、時々混ざる、ロシアの小話などは、シモネッタの異名をとる米原さんならではの、おもしろネタ満載です。解説者(米原さんが師匠と呼ぶ徳永晴美さん)の言葉を借りると

 

宝石箱と汲み取り式便槽の中身を一挙にブチマケタ、おぞましい知の万華鏡の世界

 

だそうです。よく1冊にまとまっているなぁと感心するほど、テーマは多岐にわたります。教育、恋愛、国際政治、経済、文化、通訳・・・などなど、全てが自分の体験を元にした、自分の考えがあるところだけでもすごいと思いますし、それが、いわゆる「常識」にとらわれていないのも興味深いです。

 

私も、一応海外で生活をした経験があります。そのときに、日本では考えたことのなかったことを、考えるきっかけをもらいました。人種、宗教、少数民族や少数派のこと、いろいろな人の歴史観、人生観・・・などなど。もちろん、私が見たり体験したことなど、世界全体で見たら、ほんの一部だけです。それでも、日本にいたら気づかないことに多く気づくことができました。

この本を読んで、改めて感じたのは、日本という世界的にはかなり特殊(良い意味でも悪い意味でも)な国の中で、学業に専念させられ受験マシーンとして育てられる子どもが、強くて幸せな人間になれないだろうという不安です。

 

先日、知ったのですが、うちのような田舎でも(田舎だから?)中学校に入ったらほとんどみんな塾に通って受験勉強しているのだそうです。とても衝撃的な事実でした。

うちの子ども達は、塾に行かなくても入れる高校、入れる大学に行って、強くて幸せな人間になって欲しいと思います。少々数学ができなくたって、紅葉した山を見て「きれいだなぁ」と思える心を持っていた方が、よっぽど幸せだと思います。

若い時期に努力をして得るべきものは、学歴だけではないはずです。周囲の人を幸せにする力、周囲の人を元気づける力などは、学校では教えてもらえません。そして、何より自分が幸せになる力も。

 

だいぶ、話が横にそれましたが、いろいろ考えさせられる本でしたし、私がこれまでに読んだ本の中でも、かなり上位に入る「おもしろい本」でした。


魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫) 米原 万里

おすすめ平均
stars常識が壊され、文化の壁を崩す破壊力
stars「絶対」はなく、必要なのは歩み寄り
stars作者の魅力が満載
starsおもしろかった。
stars読み易さトップクラス。

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■関連リンク

【本の感想】ガセネッタ&シモネッタ(米原万里)

うながっぱとしてデビュー

本日、うながっぱとしてデビューしました。

第5回 NPOボランティア交流フェア「ぽると祭」の応援(?)にうながっぱとして駆けつけました。

 

これまで、外から眺めるだけだったうながっぱを、今回は内側から見ることができました。時々小雨がぱらつく天気で、気温は低かったのですが、うながっぱ内部はやはり暑かったです。

真夏にうながっぱになるには、相当な体力と覚悟が必要であることがよく分かりました。11月でも30分くらい歩くと、汗で服はびっしょり、曇る目を何度も内側から拭きながらの活動でした。

 

子ども達の夢を守るため、うながっぱはしゃべったり、変身途中の姿を見せられないので、私の勇姿をHannaやYouには見せられないのが残念でした。

 

それでも、着ぐるみの中とは言え、いろいろな人に囲まれて、一緒に写真を撮られたり、子ども達の笑顔が見えたのは、とてもとても気持ちが良くて楽しい時間でした。

 

ただ、もう少し人がたくさんいたらうれしかったです。

 

明日(16日)も、ぽると祭は、開催されます。うながっぱも登場しますので、多治見市周辺の方は、是非、多治見市市民活動交流支援センター周辺にお越し下さい。

ちなみに、私は明日は今年最後の水泳の大会に出場するため、うながっぱにはならず、人間として岐阜に出没し、泳ぎます。

 

今年は紅葉が例年以上にきれいです(岐阜県土岐市鶴里町付近)

自宅周辺の紅葉がピークを迎えています。

 

今年は、いつもの年より紅葉がきれいです。特に去年と比べるとかなりきれいです。

 

去年は、夏に多治見で40.9℃の日本最高記録を更新するなど、夏が暑すぎて、紅葉する木々が弱ってしまったのではないかと(素人ながらに)分析しています。

 

今年は、去年ほど夏が暑くなく、秋の初めはずっと暖かくて、最近急に寒くなったのが紅葉の色をよくしているのだと(素人ながらに)分析しています。

 

ここ数日、天気の良い日が続き、朝日に照らされたきれいな紅葉を実ながらの通勤はとても気持ちがよいです。

10年近く毎年行っていた開田高原への紅葉狩りには今年は行けませんでしたが、その分、毎日の通勤紅葉狩りが心を満たしてくれています。